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「赤毛のアン」(かよ湖の観劇日記)など

5月19日、グリーンホール相模大野に劇団四季ミュージカル「赤毛のアン」を観に行って来ました。
モンゴメリの「赤毛のアン」シリーズは学生の頃に何冊か読み、北海道・芦別にある(あった?)赤毛のアンの世界(プリンスエドワード島)を再現したカナディアンワールドには旅行と仕事とで行った事があるのですが、そんな時代から随分年月が経ち、久々の「赤毛のアン」の世界に触れ、とても楽しく懐かしく、またとても素敵な作品だと再認識させられました。
前回観に行った「キャッツ」はストーリーよりもダンスや舞台装置的なものの魅力に惹きつけられたのですが、「赤毛のアン」はセリフの言い回しに何度も笑わせてもらい、且つストーリーにも惹き込まれました。
アンの想像力が創り出す「悲劇的なシチュエーション」を「ロマンティックな悲劇的なシチュエーション」に変えてしまう言葉の数々は、笑いを誘うだけでなく、とても勉強になり、想像力の大切さも教えてもらいました。
とてもいいミュージカルでした。小学生の娘も大絶賛でした。
これを機に、モンゴメリの「赤毛のアン」を読んでもらいたいと思うのですが・・・娘は読書嫌いなので・・・たぶん無理でしょう。

さて、次の劇場の予定は、娘と2人で行く6/2 KAAT「謎解きツアー」です。これが正直心配なのです。というのも劇場が用意した謎を解き、第1ステージ・第2ステージと進んでいくのですが、・・・親の威厳に関わるコトなので・・・解ければ「ママ、すごい!」となり、解けないと「ママ、だめ!」となるのです。う~ん、がんばろう!
また、7月は三谷幸喜版「櫻の園」に行って来ます。こちらは1人で。
で、その間にも気になっているライブがあって・・・あの~、「鼻毛の森」って知ってます?いえ、場所ではありません。本のタイトルでもありません。人名なんですけど・・・。
どうやらその「鼻毛の森」さんのライブが渋谷であるようで、恥ずかしいのですが「行きたい」というか「好き」なんですね。あの歌詞と歌声が。
よかったら、HPだけでも見てみてくださいね。(http://www.hanagenomori.com/

という事で、モンゴメリと劇団四季の皆さまには申し訳ないのですが、「赤毛のアン」と「鼻毛の森」の記事でした。

赤毛のアン (講談社文庫―完訳クラシック赤毛のアン 1)

赤毛のアン (講談社文庫―完訳クラシック赤毛のアン 1)

  • 作者: ルーシー・モード・モンゴメリー
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2005/04/15
  • メディア: 文庫



-single’s best-歌わなかったLOVESONGS

-single’s best-歌わなかったLOVESONGS

  • アーティスト: Shinya Hashizume,Sion Kuwana,ASORA
  • 出版社/メーカー: インディーズ・メーカー
  • 発売日: 2008/09/24
  • メディア: CD



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ボクの惑星日記(アナザーストーリー・金環日食編)

  5月20日
ボクは今日は早く眠るんだ。だって明日は待ちに待った金環日食の日だからさ。
「待ちに待ったってどれくらい?」
う~ん、日本では1987年9月23日の沖縄金環日食以来だから25年ぶりかな?でも、ボクが住んでいるのは横浜だから、首都圏近郊で金環日食が見れたのは1839年9月7日だから173年も待っていたことになるかな?
「ところで、キンカンって?」
金柑(小さいミカン科の果物)じゃないよ。金管(楽器、トランペット)でもないよ。あ、夏に虫にさされた時にぬるヤツ?ちがう違う。金色の環(輪)って書いて「きんかん」。
日食の1種だよ。太陽---月---地球って一直線に並んだ時に、月が太陽を全部隠しちゃって辺りが真っ暗になっちゃうのが「皆既日食」。「金環日食」は、月が太陽を隠そうと真ん中にいった時に、月のまわりから太陽の光がもれて「金の輪」に見えるのを言うんだよ。
月の女神の素敵ないたずらだよね。
さあ、東京では食の始めが6:19だからもう寝ないと。明日、晴れるといいな。
おやすみ。
あ、そうそう。ボクはこの「金環日食」を「アルテミスのラッキーリング」と呼ぶことにしたんだ。きっと金環日食を見れたら、いい事がたくさん起こると思うよ。

ボクの惑星日記

ボクの惑星日記




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連続物語「倒れた!」4

まわりがやけに賑やかになってきたと思い目を上げると、談話室内に何人もの入院患者が昼食のプレートを持ってやって来ていた。ここの病院は比較的規則もゆるく、患者たちは自由に過ごしているようだ。
「病室のベッドの上よりも、やっぱり外の光を感じられる大きな窓の近くで食べたいよなぁ」なんて考えながら、私は窓側の空いているテーブルに、青いチェックパジャマを着て左腕に点滴をつけた正樹とその向かいに私を配置してみた。と、そのテーブルに青いパジャマを着た若い男性とお見舞いに来たのであろう若い女性が腰を下ろし、一瞬私をドキッとさせたが、すぐに現実に引き戻された。
時計の短針が12時を少しまわっている。テレビでは人気タレントスイーツのお店を紹介している。テレビの観客たちから笑いが起きるが、その面白さが一体何なのか理解できない。出演者の着ていた洋服のブランド名のロゴや番組の制作者の名前がテレビ画面の下を右から左に流れ、番組が終わった。
敦美の携帯はまだ鳴らない。手術が終わったら、手術室の受付が和也の携帯を鳴らし、和也が敦美の携帯を鳴らすことになっている。
談話室はいつの間にか、昼食のプレートを持った入院患者たちから、お見舞いの人たちと談笑するいくつかのグループに入れ替わっていた。
1人の患者がテレビのチャンネルを替えると、「ニヤネ屋」が始まった。芸能人のスキャンダルがトップニュースで伝えられる。事故でも事件でもない、政治的ニュースでもない、芸能ニュースだ。正樹がこんな時に「なんて日本は平和なのだろう」と思い、正樹だけが取り残されているような孤独感におそわれ席を立った。
「敦美ちゃん。ちょっとだけ外に行って来るね。すぐに戻るから。」
私は外に出て、タクシー乗り場近くのベンチに座り、泣いた。なぜだろう?この涙にどんな意味があるのだろう?手術室では前向きに正樹が頑張っているのに・・・。ただ溢れてくる涙を止めることが出来なかった。
陽射しは柔らかさを増していた。

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連続物語「倒れた!」3

前回まではこちら
http://kayoco.blog.so-net.ne.jp/2012-05-01
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敦美に「明日行きます」とメールを打ったものの、とうてい朝まで待てる心理状態ではなかった。「何時から手術なの?」「何時になったら行ってもいいの?」ストレートに聞くことが出来なかったことが、より夜を長くさせた。ベッドサイドの時計を眺める。1秒ってこんなにも長かっただろうか?
ホテルチェックアウトが10時だったので、なんとか9時半まで我慢してからホテルに向かった。途中、コンビニでおにぎりを6個買い、和菓子屋さんで大福を4個買った。お母さんと和也・敦美の分だ。私は食欲がない。が、形だけ自分の分の大福も買ったのだ。
病院の家族待合室を覗くとソファで横になっている和也とテーブルに突っ伏しているお母さんと敦美の姿があった。待合室の3人は眠っているわけではなさそうだが、憔悴しきっていてとても声を掛ける気にはなれなかった。私は廊下のイスに腰かけ「まだ手術中なのだろうか?」「一体何時から始まりどれくらいの時間がかかるのだろうか?」と考え、すぐにでも正樹の状態を聞きたい衝動と闘っていた。
しばらくすると、掃除のおばさんが待合室に入り、替わりに敦美が廊下に出て来た。
「楓さん。いたんだぁ。中入ってくればよかったのに。」
「うん。でも・・・なんかね。で、手術はどう?」
敦美は隣に腰をおろした。
「うん。5時前から始まった。」
「え?もうすぐ6時間ってこと?長くない?」
「長い方がいいの。」
「どうして?」
「だって短いと失敗か、やっても仕方ないってそのまま閉じられちゃうって事だから。」
「そうなんだぁ。」
「お兄ちゃんの手術、とても難しくって時間が掛かるんだって。昨日CT見たでしょ?右側がすごく出血していて、脳を圧迫して左右対称じゃなくなっていたでしょ。右脳が左側まで押していってたでしょ。でね、とりあえずその血を抜くんだけど、1度頭蓋骨の1部を外すんだって。」
私は思わず顔をしかめてしまった。
「それで脳の周りに2枚膜が被さっているらしいんだけど、その膜と膜の間に血が溜まってるんだって。その血を抜くんだけど、脳が浮腫んでいるから、脳の圧迫の具合を上手にかわしながらしないといけなくって、すっごい難しいって言ってたよ。」
すでに手術内容を納得したのか淡々と話す敦美の言葉を、私は顔を歪めながらただ聞いていた。
「だからお兄ちゃん、しばらく頭蓋骨がなくて、いきなり脳なんだよ。」
「え?」
「脳の浮腫みがとれてから、頭蓋骨を被せるんだって。」
「え?」
「それまで消毒液に漬けてマイナス80度で頭蓋骨を保存しておくんだって。」
私は「え?」を繰り返すばかりで、言葉を失った。
「だから長い方がいいんだよ、手術時間。」
敦美はそう言うと、「お母さんたち疲れているから」と私を窓のある談話室へ誘い、コンビニの袋に目をつけた。
「長い方がいい」、頭ではたしかに理解できるが、やはり心は落ち着かない。きっと敦美も人に説明する事で自分に言い聞かせているのだろうと感じた。
窓際の壁に掛かっている時計を見つめる。1秒ってこんなにも長かっただろうか?時計の隣の窓の向こうには初夏らしい青空が広がっていた。24時間前の空も青かった。そして隣には正樹がいた。笑顔の正樹が。
「楓さん」と敦美が私の手のひらに大福を置いた。


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病院でのこと(5/5)

父の入院している病院の前には広大な田んぼが広がっています。
2日前、記録的な大雨でこの田んぼはおそらく巨大な沼と化してしたことでしょう。そして昨日夕方の強い通り雨の後の田んぼでは、何百という数の蛙が終わらぬ合唱をしていました。いえ、輪唱だったかもしれません。
今日は立夏。午前だというのに、文字の如くまさに夏を思わせるような太陽と温度です。
目の前に広がる田んぼには多くの人やトラクターが出て、田植えを始めていました。農作物を作る方には本当に頭が下がります。2日前のような大雨がやってきたら、このような仕事は大変ですから。「大変」では済まされないのでしょう、きっと。
横浜に住む私。田植えを見るのは何十年ぶりでしょうか?記憶があるようで、ないようで、実は初めてなのかもしれません。30年位前にイセキ「さなえ」のCMを見た記憶があって、田植えを見た気になっているのかもしれません。でも、なぜか田植えの光景は心に安らぎを与えてくれるのです。
しばらく見た後、私は寝泊まりしている病院の家族室に戻りました。その前日からの泊まりは私ともう1家族だけでした。もう1家族だけと言っても、患者さんの家族・大人4人がソファや床で寝ていたのでそれなりの荷物がありました。それがすっかり片付けられ「今日は泊まりません」とアピールしていたのです。父が入院してから半月、私たち家族は何人のICUのご家族を普通病棟へ送り出したことでしょう。今回も「普通病棟へ転室出来たんだ」と思いました。ちょうど昨日一晩ご一緒した(患者さんの)娘さん(私より若い)が近づいてきました。そして、私が発するよりも早く言ったのです。
「先程、母が息をひきとりました。皆さんには良くしていただいてありがとうございました。」
私はどう反応したのか覚えていません。ただ、瞳と呼ばれるものの水分が増えていくのは感じました。私は患者さん本人にはお会いしたことがありません。その娘さんと初めて会ったのも24時間前のことで、話だって沢山はしていないのです。そんな私の目に涙がやってきました。昨年まで葬儀関係の仕事をしていた、そんな私の目から涙が溢れました。どうしていいのか分からず暫く黙っていると、看護師さんがやってきて、ご家族を「ご遺族様」と呼び、部屋をあとにしました。
私は気分が悪くなり床に敷いてある布団に突っ伏してしばらく気分が直るのを待っていました。患者さんのことを何一つ知らない・会って間もない人の死にこんなにも動揺している自分に正直驚きました。きっとベクトルの向きが同じだったのでしょう。「家族室で泊まる」という行為そのものに、死の近くにいる家族の快方を願うという同じ目的を持つ仲間を感じるところがあったのかもしれません。
私は自動販売機で野菜スープを買い、田んぼがよく見える売店の休憩室に行きました。
田んぼには、もうトラクターも人の姿もありません。ただ緑色がきれいに整列し、広大な田んぼ一面を覆っていました。これから先、雨の日も、風の日も、台風だってある。でも、負けないで。頑張って。そう言い聞かせました。きっと、自分に、言い聞かせたのだと思います。
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1日遅れのバースディ

昨日5/5は、SHOKOのお誕生日でした。(さすがはスーパームーンの日ですね。)
え?井上昌己さんじゃありませんよ。中川翔子ちゃんです。でも、私の場合は、娘の「翔子」の方が優先です。
1日遅くなってしまいましたが、 お誕生日 おめでとう! どうか素敵な素敵な1年になりますように。(というか、自分の力で素敵なこれからにしてください。私はサポートするだけですから。)今度、スイーツバイキングに行きましょうね。
*スーパームーン。NASAによると、輝きも大きさもいつもより何割か増しているそうです。今日の月、とても輝いていて綺麗です。
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公募ガイド6月号

5/9に発売される公募ガイド6月号。特集は「創作トレーニング実習 1週間で文章力を上げる」だそうです。それにちなみ、公募ガイド 編集部ブログ(http://blog.livedoor.jp/kouboguide/)では、創作トレーニング実習の作品を募集しています。国語科の先生には怒られそうですが、国語好きな人はハマると大好きな募集内容だと思います。
私も明日から2泊3日で病院に行くので、いい暇つぶしになりそう!と思い、プリントアウトしました。前回の4泊5日病院の旅も公募ガイドはいい相手をしてくれて、とても助かりました。標語や川柳にいっぱい応募しちゃいました。
また、最近はブログ仲間が「誰か載っているかなぁ」なんて楽しみにもしています。
よかったら上記ブログ、ご覧になってくださいね。
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連続物語「倒れた!」2

この物語は連続ものです。よろしければ1つ前の記事「倒れた!」1を先に読んで戴けると嬉しく思います。

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看護師を先頭にお母さんとお兄さんも集中治療室にやって来た。
相変わらず正樹をたたき続ける敦美を見て、お兄さんの和也は「やめろよ」と注意をしたが、敦美は「管は避けてるもん」とたたき続けていた。
「おい、敦美!」
と和也が言った瞬間、その言葉を遮るように正樹の右手が5cmほど上がった。
「え?今、動いたわよね。たしかに動いたわよねぇ。」
お母さんが和也に「見た?」と聞くように和也の腕を大きく揺すった。
「うん、動いた・・・ように見えた。」
「動いてるんだよ。お兄ちゃん、本当に動いてるんだよ。」
敦美の声に担当医が続いた。
「反射だとは思いますが、ここに運ばれて来た時よりもいい反射をしています。顔色もいい。もう1度CTを撮ってみて、手術が出来るか確認してみましょう。」
看護師たちは頷くと、正樹のベッドのまわりから散って行った。
「お願いします。」
お母さんの言葉に合わせ、私たちは頭を下げた。
さっきよりも集中治療室の扉が軽く感じる。それは、中にいる正樹がすぐにでもこの扉から出てこられる「予感」を感じさせた。

「楓さん・・・」と敦美にアイコンタクトをされ、私は頷き腕時計を見た。まもなく22時になろうとしている。
「何かあったら連絡するから。なくても連絡するから。」
敦美の声に促され、私はお母さんとお兄さんに一礼して階段を下り、緊急入口の近くの椅子に腰をおろした。しばらく茫然とし、焦点が合わぬまま緊急入口の自動ドアが何度も開閉する光景を眺めていた。
ピピッピピッピピッピピ。
「うわっ!」
驚いて携帯のアラームを止めた。23:25だ。毎晩決まって23:30に電話をくれる正樹の電話を受けるため5分前にアラームをセットしているのだった。
我に返り、私は長い長い5分を待った。それはいつもよりも長い5分だった。
携帯の文字が23:31に変わった。毎晩くれるはずの正樹からの電話はなかった。さっきまで眺めていた自動ドアをくぐり抜け外に出ると、風がひんやりと冷たい。私は携帯で1番近いビジネスホテルを探し、今日はそこへ泊まることにした。

薄暗いホテルの部屋はシングルベッドと小さなテーブルとイスでもういっぱいという狭さだったが、その狭さがかえってうれしかった。やたらに広いスペースがあったら、そこに正樹を配置してしまいそうだった。仰向けにベッドに倒れ込む。今日は長い夜になるのだろう。
この苛立ちをどこかにぶつけたくて、でもどうしようもなくて、私は浴室にむかい、普段よりも熱めのお湯でシャワーを浴びた。シャンプーをする。いつもよりも泡立ちがいい。
(そうか、今日、2回目のシャンプーか。12時間前もシャンプーをしていた。あの温泉で。何も知らず髪を洗っていたちょうどその頃・・・・男湯では・・・正樹が・・・。私が髪を洗っていた、その頃に。。。)
私は吐き気を感じ、慌ててシャンプーを洗い流し浴室を出て、ベッドにうつ伏した。水滴とともに涙がベッドカバーを濡らした。
と、携帯が震えた。敦美からのメールだ。
「CTの結果は良かったよ。手術が出来る状態だって。多分、明け方から手術かな。では、また明日。おやすみ。 P.S.早く来たいとは思うけど、母と兄が疲れているからゆっくりめでね。」
(よかった。よかった。とりあえず・・・よかった。)
「敦美ちゃんへ 報告ありがとう。明日行きますね。正樹さんをおねがいします。 楓」

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連続物語「倒れた!」1

倒れた!
と言っても、私はその瞬間を見ていない。

「誰もいないみたいだよ。そっちは?」
「こっちも誰も。」
「ラッキー!じゃあ後でね。」
そう言って私は女湯ののれんをくぐった。
正樹との旅行は久しぶりだ。昨年のお盆休み以来。GWは働くことになったからその振り替えを前倒しで取ったとかで、突然メールがきた。「明日から3泊4日で温泉でも行かない?」と。大学生の私は気楽なもので、いつでも自主的に休みが取れる。なんてイイ身分なのだろう。
私は体と髪を洗い、露天風呂にむかった。ピシャピシャと湯を浴び、湯船に浸かる。正樹も板1枚へだてた男湯の露天風呂に浸かっているにちがいない。
「ま・さ・き~」
返事は返ってこなかった。
(聞こえないのかな?体洗うの、正樹の方が早いはずなのに・・・。)
「ま・さ・き~、まさきってば、まさき!」
と、男湯側で扉の開く音が聞こえた瞬間、見知らぬ声が轟いた。
「うわぁ!お、おい、誰か倒れてるぞ。」
「ど、どうしよう。」
「とりあえず、誰か呼ぼう。従業員、旅館の従業員。早く!」
「分かった。行ってくるよ。」
板の向こうの男たちの会話に私の心臓は悲鳴を上げたが、声を上げることは出来ず、私は湯船の中でただただ震え、なんとか正常を保つように努力した。「君は落ち着け。冷静に対処しろ。」私の脳が体全身にそのような指令を送っていた。

「うっすらだが意識はある。・・・あなたもすぐにA病院に来てください。」
救急隊員はそう言うと救急車に乗り込み、目の前から消えた。数分後、上空を大きな物体が横切っていった。ドクターヘリ。(あの中に正樹が乗っている。どうか・・・助けてください。)

旅館に着いてすぐにお風呂に入ったので、持ち物はほとんど纏まったままだった。机の上に置かれた正樹の携帯時計をカバンにしまい、ジャケットを持ち、従業員と男性客に頭を下げ、私はタクシーに乗り込み近くの駅に向かった。駅から40分ほど電車に乗りA病院に辿り着いた時には夕方近くになっていた。

検査を終え集中治療室に横たわる正樹は、色を失い、見たこともないほどの無表情で無防備な姿をあらわにしていた。
「正樹、稲川正樹は大丈夫なのでしょうか?」
「ご家族さまですか?」
「いえ、友人です。」
「では、ご家族さまがお見えになってからお話ししますので。」
(何時間が経ったのだろう。時計の長針はまだ1周もしていない。人を待つってこんなにも苦しいことだったのだろうか。)私は緊急入口の近くの椅子に座り、きれいに磨かれている自動ドアをながめていた。
間もなくして、正樹の家族がやってきた。お母さん・お兄さんと妹だ。お父さんは2年前に亡くなった。
私は正樹の待つ集中治療室に案内し、扉の前で看護師さんに声をかけた。「家族」が入っていった部屋の前で私は扉が閉まるのを確認した。再び扉が開いた時、そこには真っ赤に目を腫らしたお母さんとそれを支えるお兄さんの姿があった。最後に3人分の荷物を持った妹の敦美が現れた。私は敦美のカバンを1つ持ち、廊下を歩いた。
少し先の部屋の扉が開き「稲川さん、こちらで説明をします」と看護師が手招きをした。お母さん・お兄さんと部屋に消え、私は敦美にカバンを渡そうと差し出した。
「楓さんも一緒に聞いて。」
敦美の言葉に促され、私は部屋に入り、1番端の椅子に腰かけた。
眼鏡をかけた細身で短髪の40才前後の担当医は、脳のCTの写真を見せながら説明した。が、難しいことは私にはよく解らない。ただ、病院に運び込まれた時点で意識不明。脳が出血していて血がいっぱいで、左右対称じゃなくなっている。この症例だと9割以上が死んじゃって、うまく生き残っても植物状態、という事。「最善は尽くしますが、どんな最期がいいか考えておいてください。少なくともこのような症状で私の受け持った患者さんで意識を取り戻すまで回復できた方は・・・1人もいません」と続けた。
すすり泣くお母さんの声が聞こえる。
が、敦美が言った。
「先生、よかったですね。この症状でも普通の生活を取り戻すまでに回復できる患者の1例目ができますよ。」
担当医は苦笑いをし、家族を送り出した。
(どんな最期がいいか)という言葉が私の頭の中で駆け巡り、その言葉は同じようにお母さんやお兄さんの頭の中も支配しているようだった。2人は「最期」について現実的な話をしていた。敦美は話に参加しながらも「最期」でなく「今後」を考えているようだった。
「ねぇ、楓さん、もう帰っていいよ。」
と声をかけられ、小声で「お母さんもお兄ちゃんも疲れてるからさ、ごめん。」と敦美は付け足した。
「うん、そうする。」
私は頷き、もう1度だけ集中治療室の正樹に会わせてもらうお願いをした。敦美と一緒に入る集中治療室。正樹は数時間前の正樹よりもどことなく顔色がいいと感じるのは気のせいだろうか?
「お兄ちゃん、早く起きて!」
隣で敦美が正樹の体をたたく。たたく。叩く。
数秒後。正樹の手が・・・。
「動いた!ねえ、今、動いたよね。ねえ。」
「動いた、動いた。絶対動いた!」
その声を聞いて、看護師と担当医がやってきた。
また、正樹の手が動き、口も動いた。
「よし、もう1度CTを撮ってみよう。うまくいけば手術も。」
担当医の口もそのように動いた。

============================
実話を元にしたフィクションです。
20日夕方、父が倒れもう危ない、と電話が入りました。
20日朝、友人と2人で栃木県の温泉地へ行き、入浴中に倒れ、ドクターヘリで大きな病院へ運ばれたそうです。
弟が先に病院へ向かい、私は母と子どもたちを乗せ車で着いたのは21:30でした。
その時点では、意識もなく、反応・反射もなく、ベクトルの向きは死のみでした。私たちも、その方向で色々と話し合いをしていました。
が、翌日、奇跡が起きたのです。
詳しくは、また物語と連動させて報告したいと思います。
24日夕方~27日は、栃木の病院へ私が泊まり込むので、今回はここまで。以上、報告でした。もう、寝ないと。zzz...

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キャッツ 観劇

4/15、小5の娘と劇団四季ミュージカル「キャッツ」を見に行ってきました。横浜・みなとみらいの「キャノン・キャッツ・シアター」です。
「キャッツ」。もう8000回以上の公演なんですねぇ。スゴいですね。皆さんは観たことありますか?私は今回が初めてでした。前から1度は観てみたいと思っていたのですが、「場所も近いし、いつもやってるから」と思って先送りにしてしまっていたのです。。。
観客席に1歩足を踏み入れ、驚きました。キャッツ・シアターというだけあって、ステージだけでなく観客席も込みで、まるごと猫の世界なんですね。猫目線の大きさのガラクタなどで360度が造られているのです。つまり、私たちも観客というより猫ということになるのでしょうか?小学生の娘も入った瞬間からいつもとは違うホールの雰囲気に興奮していたようです。
公演が始まってからも演者の猫たちがステージ上だけでなく客席までもステージとして走り踊っているので、とても楽しめました。また、猫だけあって動きが気付かれないんですよ。気付くとそばの通路にいたりして、本気でビックリしました。
大きな話の流れの中に、たくさんのストーリーとダンス・次はどこから登場してくるんだろうというドキドキ感が盛り込まれ、大人も子どもも楽しめるミュージカルだと思いました。
また観に行きたいと思います。多分、また行くでしょう。今度は通路側を予約したいと思います。前方の通路側は楽しそうですよ。カーテンコールの時なんか特にね。
先程、劇団四季のHP見たら、4/15から8月までのチケットが発売されたようです。安い通路側の席はもうあまりありませんでした。
でも、5月は「赤毛のアン」・6月は「KAAT 謎解きツアー」に行く予定なので、ちょっと見送ってしまいました。
旅行で横浜に来られる方は、ぜひ「キャッツ」も観られること、オススメします。
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