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童話 「こんにちは、カメです。」

 ピンポーン。
「あ、だれか来た。だれだろう?」
 一人でるすばんをしていたたけるは、げんかんに行き、ドアをあけました。
「こんにちは、カメです。」
「え?なになに?カメ?」
 見るとそこには、一ぴきのみどり色のカメが立っていました。
「たける、きのうようちえんでカメがほしいって言ってただろう。だから来てやったぞ。」
「たしかに言ったけど・・・でも・・・」
「あがるぞ、おじゃましま~す。」
 カメははいていた長ぐつをぬいでスタスタとたけるの家にあがりました。
お母さんにおこられちゃうよ~。」
「お母さんには、ないしょ。」
 たけるとカメは、リビングでならんでテレビを見ました。
「たける、パズルでもしないか?」
「しばらくやってなかったからなぁ。パズル、どこにしまっちゃったかなぁ。」
 たけるが言うと、カメは立ちあがってせなかのこうらをモゾモゾさせました。
「たける、パズルならおれがもっているぞ。」
 そのとたん、カメのこうらがバラバラとはずれ、たくさんの六角形のいたがちらばりました。
「たける、ちゃんとはめてくれよ。ヨーイ、スタート!」
 たけるはびっくりするひまもなく、あわてて六角形のいたをひろい上げて、ていねいにカメのせなかにはめていきました。
「ねえカメ。あ、名前なんだっけ?」
「なんでもいいよ。」
「じゃあ、カメ吉。」
「なんだかおじいさんみたいな名前だな。まあいいや。」
「カメ吉、この六角形、にていてわからないよ。あってるかな。」
「ちがってたら、ぜんぶはめたあとに、またくずれる。それだけのことさ。」
 たけるはまちがわないようによーく見て、六角形のいたをカメ吉のせなかに、とりあえずぜんぶはめてみました。
「せいかい!たける、一回でできるなんてすごいな。つぎはさんぽに行くぞ。」
 カメ吉はそう言うと、げんかんで長ぐつをはきました。
 たけるとカメ吉は、どてをあるいています。
 きょうはいい天気です。青いそらに白いくもが一つうかんでいます。
「カメ吉、あのくも見て。カメみたい。おもしろいな。カメラもってくればよかった。」
「たける、カメラがほしいのか?」
「うん・・・。」
「だったら、おれをたけるのあたまの上にすわらせろ。」
 たけるはわけがわからないまま、言われたとおりにしてみました。
「たける、ラってさけんでみろ。」
「ラ!」
「へんし~ん。」
 カメ吉はカメラにへんしんしました。
「うわっ、カメ吉がカメラになっちゃった。カメをあたまにのせてラって言ったから?カ・メ・ラ。おもしろ~い。」
 たけるはカメのかたちをしたくものしゃしんを一まいとりました。すると、カメラはカメ吉にもどりました。
「カメ吉、すごいね!」
 そう言って、たけるはカメ吉をあたまの上にのせ、ルーンルーンとスキップしました。
 きづくとカメ吉の体がかるくなり、一まいのぬのになっていました。
「あれ、カメ吉がぬのになっちゃった。なんで?みどりと赤ときいろのぬの、あ、まん中にほしがある。なんだこれ。カメ吉~。」
 ぬのはカメ吉にもどりました。
「たけるがおれをあたまにのせてルーンルーンとか言うから、カメルーンのこっきになっちゃったじゃないか。びっくりしたよ。」
「そうだったんだ。ぼくもびっくりしたよ。」
 しばらくあるくと前から、となりの家のおねえさんが犬をつれてやってきました。
 たけるはカメ吉のことをはなしたくて、カメ吉をあたまの上にのせ、おねえさんと犬にかけより、犬の名前をさけびました。
「レオン!見て見て。」
とあたまの上のカメ吉を目の前にさしだして、びっくり!目の前にいたのはカメではなくカメレオンでした。
 おねえさんもたけるも犬のレオンもびっくりしてころんでしまいました。
 ころんだひょうしにほうり出されたカメレオンはカメ吉にもどりました。
「いてっ。たける、ひどいなあ。自分でレオンってさけんでおれをカメレオンにしておいて、びっくりしてなげ出すなんて。」
「ごめん、ごめん。」
 たけるはカメ吉にあやまりました。
 ポツ、ポツ。
 さっきまではれていたそらは、みるみるくらくなり雨がふってきました。
「雨だ。はやく家にかえらないと。」
「たける、あわてるな。おれにまかせろ。」
 カメ吉はたけるの手のひらにのると、しっぽをひっぱらせました。
 すると、カメ吉のこうらが体からはずれ、くうちゅうをうき、たけるのあたまの上で大きく広がりました。かさになったのです。
「たける、おれ、やるだろう。」
「ありがとう。」
 たけるはカメ吉のかさの下で、おねえさんとレオンといっしょに家にかえりました。
 家につくとカメ吉は、大きく広がったこうらをおにぎりをつくるようにギュッギュッと小さくして、せなかにせおいました。
「じゃあな、たける!」
 そう言うと、カメ吉は手をふってかえっていきました。
「カメ吉、たのしかったよ!またあした、あそぼうね。」
 たけるは小さくなっていくカメ吉のうしろすがたに手をふりました。

 つぎの日。きょうもたけるは一人でるすばんをしています。
ピンポーン。
「あ、カメ吉かな。は~い!」
 たけるはいきおいよくドアをあけました。
「こんにちは、イカです。きのうグルグルずしで、イカがすきだって言ってたから、来ましたよ。」

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考えてみたら童話をブログにUPするのは初めてかも知れません。応募ものは、ほとんど童話を書いているんですけれどね。
どこかの童話賞に応募した没作品(原稿用紙7枚)です。
ぜひ皆さんの感想を聞かせてください。
(P.S.ペンペンさん、これに絵を描きませんか?)

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コメント 13

しん@うべ

はい、ぜひ描きたいっす。
「カメ吉」は、キャラがたっちょって
エエ味でちょりますね。
2ほんあし?
なんとかタートルの映像がうかんできて
おもわず、パクってしまいそうぢゃけど。
「おねえさん」は、うまく描けそうです。おわり。
by しん@うべ (2011-11-25 21:08) 

川越敏司

いやあ、おもしろかったです! 絵になることを意識して書かれていて、非常のよいですね。子ども受けしそうなくだらないダジャレで亀が返信して行くのがいいです。かよ湖節炸裂!って感じですね。子どもを書かせたら、かよ湖さんにかなう人はいませんね。

以前、『きむら式童話の作り方』という本を読んで、小説は「起承転結」だけど、童話は「起承承承転結」だと書いてあって、なるほどなあと感心した覚えがあります。この作品も、「起承承承転結」の作法に則っていますね。

最後に、少しだけ注文を付けると、最後にイカが登場ではなく、その後、亀がどうなったかとか、変身するたびに亀から何か大事なものが失われるとか、だんだんとたけるに友だちが増えていくとか、「承承承」の間に少しずつ世界が変化する様子が書かれていると、もっとよかったでしょうね。
by 川越敏司 (2011-11-26 09:35) 

リンさん

これ、没だったんですか?
私はすごく好きです。こういうシュールなおはなし。
カメに言葉を足してカメラやカメルーン。
言葉遊びも子供が喜びそうでいいですね。
勉強になりました。
by リンさん (2011-11-26 19:02) 

かよ湖

しんくん(ペンペンさん)、早々にお返事ありがとうございます。
では、クリスマスに「絵本withカレンダー」で昌己ファンに売りつけますかね(笑)。それとも、来年発売の昌己さんの曲を1曲「カメ吉の歌」にしてもらってshokolandから「CDwith絵本」で全国CDショップ&書店展開して印税生活でもしますかね(笑)。
う~ん、妄想と夢は楽しい!
by かよ湖 (2011-11-26 20:13) 

かよ湖

川越さんに「おもしろかった」と言っていただけると、とても自信になります。
以前、児童文学作家の今井福子先生に「児童文学には、何か1つでも読んでタメになることを入れましょう。」というような事を言われた記憶があります。
今回は、園児~小学校低学年を対象とした作品なので、「言葉あそびの楽しさ」を入れたつもりです。
「承」の間の変化。なるほど!そうですね。次回、チャレンジしてみます。
by かよ湖 (2011-11-26 20:24) 

かよ湖

リンさん、気に入っていただけて嬉しいです。
シュールでしたか?「たかがカメ」のクセに、上から目線のカメですよね。
童話を書くにあたっては「言葉あそび」や「言葉に関すること」は取り入れたいな、と思って書いています。
小さい頃から「言葉」の楽しさや大切さを感じてもらいたいですからね。
by かよ湖 (2011-11-26 20:35) 

hiroshi

かよ湖さんの童話についてのコメントでなくてすみませんが、ぼくの「スランプ」についての記事にコメントをいただき、ありがとうございました。
とりあえず、一度に読む量を少なくして、ゆっくり読むことから「回復」を図りたいとおもいます。
これからも、よろしくお願いします。
by hiroshi (2011-11-27 00:52) 

春待ち りこ

ふふふっ。。。
可愛いですね♪
こんなカメちゃんなら、うちにも来て欲しい!!!
面白かったです。
絵がつくともっと楽しくなりそうですね。
視覚を感じさせる文章は、童話には向いているそうですよ。

童話賞。。。
私もかなり。。。というか。。。凄まじい数の落選しております。
もう、書くのをやめようかと思うくらい(笑)
どこがいけないのか?
と思うこともありますが、大賞作品を読むと。。。
なるほど。。。といつも思います。

かよ湖さんの作品を読ませていただいて
とても、勉強になりました。
素敵な作品でしたよ!!!
楽しみました。ありがとっ♪
by 春待ち りこ (2011-11-27 22:53) 

かよ湖

「スランプ」から抜け出す原動力としての「書くこと」。
また1つ、hiroshiさんから教えていただきました。ありがとうございます。
by かよ湖 (2011-11-28 16:06) 

かよ湖

りこさん、ありがとうございます。
私もこの話、絵を付けて読んでみたいんです。が、頭では「絵」が描けるのに、どうもそれを紙にアウトプットする能力が破壊されているようで、・・・NEWSの手越くんとイイ勝負だと思っています。。。
童話賞。いつか、間違って引っかかりたいなぁ。と思っています。
お互い、がんばりましょうね。
by かよ湖 (2011-11-28 16:13) 

hiroshi

「書くこと」のほかにも、「何かを原動力にしている人」は、「つづけている人」なんでしょうね。
by hiroshi (2011-11-29 00:10) 

かよ湖

継続。簡単なようで、とても難しい事だと思います。(少なくとも私には。。。)
hiroshiさんは今月も「毎日ブログ更新」ですね。スゴい!尊敬します!
私は「気が向いたら」ですが、どうぞこれからもお付き合いくださいね。
by かよ湖 (2011-11-30 23:48) 

かよ湖

この「こんにちは、カメです。」、近くアレンジして童話賞に再度応募しようと思います。
ですので、そのうち記事から削除いたしますので、ご理解ください。また、よろしければアドバイスなどお願いします。
by かよ湖 (2011-12-19 00:33) 

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